2011年04月24日

偶然、発見!!

先日、買いそびれた「暮らしの手帖」のバックナンバーを図書館で借りてきました。去年の晩秋に出た、ワンボウルケーキ等の特集が組まれた号です。

なにげなくぱらぱらとページを繰っていたところ、あれ?と思ったのでページを戻ってみるみる。「嫁入り道具の花ふきん」という特集の中で、作り手の方の食卓を写した写真の真ん中に、見覚えのあるすり鉢が…。麹漬けのナスが盛られたそれは間違いなくうちの五寸すり鉢でした。今現在のものより少し青みが薄いので、数年前に焼成されたもののようです。卓の真ん中にありましたが、使い初めの時のようにばばん!とした主張はなく、他の器といい感じになじんでいました。よく育ててもらったんだのう、五寸すり鉢よ〜。

我ながら目ざといなあ、と思ったものの、あれだけ毎日目にして、作成時はロクロ場に駆り出され、陳列後は埃を払ってとしていれば当たり前なんですが。

工房やお店で手にしているものはまだ生活デビューする前の品物なので、外に出た後の姿を目にするのは、とても新鮮です。自宅にあるものは生活になじんで行く姿を毎日みているのでそれほどでもないのですが、こう、なじんでゆく過程をぽんと飛ばして、そのおうちのモノに変化を遂げた姿は目新しいのです。

ところで、ページを繰っていたのは、腰を据えて読書に入る前の段階だったので、もしや…と思い、特集の最初に戻ってみると、秋田の方でした、作り手の方。花ふきんというものが秋田にあることすら知りませんでした。がーん!情けなや情けなや。

なんでも「花ふきん」は細やかな模様を刺した刺し子のふきんで、母親が娘を持ったときから心づもりして何十枚も縫いためる嫁入り道具だったとか。

ううむ。
できれば、うちの器もそんなふうに各家庭で受け継がれていってほしいものです。
必ずしも器そのものでなくとも、家族共通の認識?思い出?のかけらくらいとしてでも。

よく、「子供にいいものを持たせると感性が育つ」というのを耳にしたりしますが、子供の記憶の中で、家族の食卓風景にある器がキレイなものだったぐらいでいいかもな〜と思います。独り立ちしたあと、家庭を持ったあと、うちで使ってた器は青だったけな、くらいの。漬物入れてた鉢というと家族みんなが、ああ、あの鉢〜、と思うくらいの。

ちなみにうちで長年使っていた漬物鉢は、楢岡焼でいう銅鑼鉢型で、唐風の子供が描かれ、縁の内側に刻まれたぎざぎざを爪でなぞると「かかかか」と軽い音がするものでした。して、裏側にしっかり○○酒店と書かれておりました(笑)。
すでにもう店はないのですが、しっかり私の一生にくっついてくる○○酒店…。

今日はGW前のためか静かな日曜日で店内清掃に精を出していました。桜は開花まで、まだかかりそうです。でもやっと土筆は顔を出し始めました。
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posted by UH.Komatsu at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 諜報員クマの事件簿
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