現在開催されているのは、片岡鶴太郎展です。一度は観てみたいと思っていたので、フライヤーで開催を知るや否や、握りこぶしの決意で鑑賞おでかけを決めました。場所が場所なだけにゴールデンウィーク中は混雑するだろうとの予想のもと、早めか遅めにしないとと、あれこれスケジュール調整して4月のうちに。

予想より作品数は少なめでしたが、ツアー客と時間がぶつからなかったので、なかなかゆっくり鑑賞できました。BGMの音量が大きめだったので、負けじと声を張り上げているおばちゃんもいましたが、そういう方はさっさと進んで去って行くので数分辛抱すれば、あとはこっちのペースで。
夜桜等派手なものもありましたが、ひとつの素材を淡い色彩で描いたものの方が好みでした。牡丹の花や伊勢海老などの豪華な被写体もよかったのですが、筍や果物をひとつふたつ描いたものも静かで、ひっそりそこにある感じがよいのです。
仮に絵を購入して壁に飾ったとしたら、必要以上に主張してくるわけでもなく、ただただ生活のなかに溶け込んでその場にありつつも、被写体から季節の空気感を漂わせているように思えました。四季の巡りに合わせて掛け替えしたくなるような絵。
夜桜の絵の着物を観て思ったのは、枝についた花はもちろん、花のついた枝そのものが発光しているように見えるんだよね、ということ。図工や美術の授業で写生に出て、目に見えるものだけを描いて、なんだか似て非なる風景になってしまったと思ったのは、もう随分と昔のことですが、見えたモノだけをなぞるように紙に落としていくと、雰囲気や空気感を拾わずに完成としてしまうんでしょうね。
歩いてやってくる七福神という作品もありました。船で来るよりも道端で出会う確率が高そう。色々なことを見てこられた方なんだろうなと思う展示会でした。
おみやげにポストカードを数枚購入。
自分用に筍と。

今年の暑中見舞い用に西瓜。来年もしくは再来年の寒中見舞い用に梅。

鑑賞し終わって外に出ると、桜祭りのはずの角館は残念なことにまだ枝ばかり。
しだれ桜も。
武家屋敷通りも。
絵を観て、桜を観て、のんびりするが理想だったんですけどね。残念。でも行きに降っていた雨はあがっていました。せめてゴールデンウィーク後半には咲くといいですね。