2013年08月05日

玉子の本からオムレツ

ここのところ、玉子の本ばかり続けて読みました。玉子料理の本ではなく、玉子料理についてのエピソードの本です。

「玉子 ふわふわ」早川茉莉著/ちくま文庫
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」石井好子著/河出文庫
「東京の空の下オムレツのにおいは流れる」石井好子著/河出文庫
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「玉子 ふわふわ」は37人の作家による玉子についてのアンソロジーです。森茉莉、池波正太郎、伊丹十三、北大路魯山人、田辺聖子、辰巳芳子、などなどそうそうたるメンバーなのですが、こんなにもたくさんの方が玉子についての文章を記していることにびっくりしました。もちろん石井好子さんも「東京の空の下オムレツのにおいは流れる」が収められています。

そうそう。こちらの本には、玉子かけご飯についての文章も出てきます。そこで思い出したのが、昔、年末年始の神社に10日間住み込みで御奉仕に行った時のこと。朝ご飯として準備されていたのがご飯とおみそ汁と生卵でした。十日間ずっとです。私は生臭いもの、ぬるぬるしたものは苦手で生卵の玉子かけご飯は普段食べないのですが、この時は、コレを食べないと他にないという状況。頑張って食べ続けました。十日間。なので、その後は一応、食べられるものの範疇に入れてます。以後、一度も口にしてませんが。(玉子焼きかけご飯や茹で玉子かけご飯は食べます。)

あとの2冊は「暮らしの手帖」で連載されていた石井好子さんの名著の誉れ高いお料理エッセイで、暮らしの手帖社から単行本刊行されてから、なんと半世紀を経て文庫化されたのが2011年の夏。友人から「文庫出るよ!買いだよ!!」とのメールを貰い、ダッシュで買いに行きました。花森安治さん装丁の単行本もよいですが、文庫の装丁もステキです。

グラティネ、リエージュ風仔牛料理、セリのスープ、ホワイトソース、鶏の丸煮、あたたかくて冷たいサラダ、ステークタルタル、各国のロールキャベツ事情等々、二冊とも徹頭徹尾おいしそうな料理のエピソードとレシピ満載。なのですが、やはりタイトルにもなっているオムレツについての記述が一番お腹の共鳴を誘うように思えます。

一編で著者が戦後間もなくシャンソンの勉強のためパリに渡り、下宿していたアパートのロシア人未亡人にオムレツを焼いてもらうエピソードから各国のオムレツ事情、付け合わせのサラダ、さらに下宿先での食事からハンバーガーやフランスでの洗濯の仕方まで膨らんでいく内容なのですが、オムレツを焼いて貰っている、その時の様子ときたら、もう、もう。以下、抜粋。

「オムレツは強い火でつくらなくてはいけない。熱したバタにそそがれた卵は、強い火で底の方からどんどん焼けてくる。それをフォークで手ばやく中央にむけて、前後左右にまぜ、やわらかい卵のヒダを作り、生卵の色がなくなって全体がうすい黄色の半熟になったところで、片面をくるりとかえして、火を消し、余熱でもう一度ひっくりかえして反面を焼いて形をととのえたら出来上がる。」

この記述。
文字を追うだけで、台所で調理中のフライパンの中を期待をふくらませて覗きこんでいるような気分になります。やがては絵に描いたモチ状態に耐えきれなくなり、オムレツのコツについての記述も熟読してレッツ!トライ!!

オムレツのコツ(以下、抜粋)。
1、卵をよくかきまぜること、しかし泡が立つほどかきまぜすぎないこと。
2、バタまたは油が熱したところに卵を入れること。
3、火かげんは強めにする。
4、卵を流しこんだら、そのままほっておかず、かきまぜること。
5、焼き立てをたべさせること。
「この5つをまもればだれにだってオムレツはおいしくできる。」そうです。

さて、出来上がりは。
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コツの中でも最重要ポイントは4のかきまぜることのように思えました。ひだひだを寄せることでふわふわになります。が、なにしろ熱したバタか油に玉子を注いで強めの火加減。ぱぱぱぱぱぱっとこなさないと、あっというまに玉子は固まって強制的完成となってしまいます。こんな感じ?フォークでフライパンに傷付けたら?などと余計なこと考えてる暇まるでなし。

そして、ひだひだを寄せることで形を整えるのが難しくなりました。お料理の腕の力量もあると思うので個人差は大きくあるかと思いますが、写真左側にはひだひだがまとめきれず響いています。家の食卓であれば、これもご愛嬌ということで。ああ、でも心残りだ、この形。練習あるのみ。玉子2個に粉チーズを大匙山盛り1杯まぜて焼くと言うフランス風オムレツも食べたいしなあ。

玉子万歳!!

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posted by UH.Komatsu at 14:16| Comment(3) | TrackBack(0) | クマの製品紹介
この記事へのコメント
メンツに森茉莉が入ってるのですね。。やっぱりバターで食したいオムレツですが、普通の油の時はマヨネーズ投入でまろやかに。
木製のフォークやレンゲだと安心かもしれません。それにしても、オムレツの黄色って可愛いなぁ…。ブルーが似合うことを自覚してますね。
Posted by ツガミサヤカ at 2013年08月08日 14:47
ツガミ様
森茉莉は目玉焼きについての記述で、どうやらウェッジウッドの紅茶碗のフチで玉子の殻をこんこんとしていたらしいです。紅茶碗!?
現代からのメンバーでは堀井和子さんや松浦弥太郎さんの文章が入ってますよ。

木製のフォーク等々はテフロン加工でも安心ですね。次回使ってみます。

青に黄色と、あと赤も実においしそうに映えます。握り寿司を並べてみると映える色チェックが簡単にできちゃいます。
Posted by 諜報員くま at 2013年08月11日 14:08
茉莉さんらしいエピソード…
夏の課題図書にしましょう☆
お寿司は盲点でした…
やはり、原色が映えますね!
Posted by ツガミサヤカ at 2013年08月11日 20:23
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