2013年08月28日

ババヘラアイス来窯

先週のお話です。終業まで1時間を切った夕方のこと。事務作業をしていましたら、何やら外からガラガラ、キーッという音がして、小花プリントの農作業用日よけ帽子が窓からちらちら見えました。畑帰りの近所の方が回覧板でも届けにきたのかと思っていたら…。

「どうも〜。ババヘラアイスの訪問販売です〜。冷凍保存もできますよ〜。」

は!?

ババヘラアイスの販売というのは、道端にアイス缶置いてパラソルを広げてババが椅子に腰かけている、待ちの販売だとばかり思っていたのに、いつのまにか攻めの戦法になっている!!

あまりの衝撃にあたふた動揺しながら窯場に駆け込んで窯作業していたスタッフ面々に「ババヘラの訪問販売きましたけどどうします?」と伺いを立てたら、全員が全員「は?ババヘラの訪問販売?」ときょとんとしてました。そうです、誰もババヘラが動き回って販売しているなんて見たことないし、思いもしないし。

見たことないものに心惹かれてしまうのは人間の性。結局全員好奇心に負けて特別に小ボスにアイスを買ってもらいました。

ババさん、満面の笑み。このアイス缶とパラソルを載せた台車を押して動き回っているようです。
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昔はお客様に「ババヘラ下さい」と言われ、知らない人にババと言われると泣いていたババさんもいたそうですが、今やババさんたちも「秋田名物のババヘラだよ〜。」と堂々としてらっしゃいます。秋田に行かないと食べられないものとして不動の地位を確立してきていることをババさんたちも心得ていらっしゃるのでしょう。

花盛り中。ババヘラの盛り方(杉重冷菓のババさんなのだそうで)→http://www.namahage.ne.jp/~parasolice/page009.html
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アイス盛りながらのお話しによると、ババヘラアイスは他のアイスのように凝固剤が入っていないので溶けやすいけれど、その分体にはいいのだそうです。

「こうやってアイス売ってれば年金に手つけねくていいし、孫にこづかいけでやれるから〜。」と笑ってらっしゃいましたが、ババヘラアイス販売は炎天下の道端で一日アイス販売。かなり過酷だと思うのです。こうやって稼いで、貰ったこづかいは心して使えよ、孫、と他所様のお孫さんに対して念を送ってみたりして。

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お話途中にババさんの携帯から演歌の着メロが流れ、お迎えのワゴン車の運転手さんからでしょうか、所在を尋ねられたらしいババさんは「今?ほれ、あの南外の瀬戸物いっぱい売ってるとこさいた」と説明してました。動くババヘラを可能にする文明の利器。いずれ、ルンバ(掃除機)みたいな形でGPS搭載の移動ババヘラカーが出てくるかも。THE 進化するババヘラ界。

今や観光客には「秋田に行ったらババヘラアイス食べなきゃ。写真撮らなきゃ」と絶大の人気です。楢岡焼を買いに来たお客様にも「どこに行ったらババヘラ食べられますか?」と聞かれたりもします。「イベント会場等には確実にいると思いますが、ある意味出会いなので運が良ければ…」とお答えするしかないのですが(笑)

なんでも観光客目線からはババさんたちはとてもミステリアスに見えるのだそうです。山奥の国道の片隅にぽつんと一人座ってアイスを売っているババさん。乗ってきた車等々の移動手段が見当たらないので、どこから来てどこへ帰るのか、どれくらいの時間そこに一人でいるのか、交代制なのか、不思議がいっぱいなのだそう。そうそう、それは多分、地元民でも謎に思っている人は多いはず。ちょっと前にババヘラの本を読もうと思って忘れてました。これを機会に読んでみようかな。確か図書館の地域図書にあったはず。

これと、
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これ。
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ババヘラアイスの黄色い部分はバナナ味、赤い部分はイチゴ味。小さい頃はバラ盛りや花盛りなどなく、ただぺたぺたと盛られるだけだったので、赤い部分を多く盛られるととても嬉しかった記憶があります。なぜか、なんて理由はないのですが。そんな記憶ありませんか?

アイスもジェラートも「濃厚」がもてはやされる昨今ですが、ババヘラアイスは昔も今もこれからも、あの儚い感じの味は変わらないでほしいものです。

去っていくババさん。
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posted by UH.Komatsu at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 諜報員クマの事件簿
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