2021年06月06日

ぐいのみ 他 作陶状況

ゴールデンウィークが終わり、行楽お土産用の注文品も落ち着いて、ろくろ場にも少し余裕が出てきました。大体いつも取引先からの注文に追われてばたばたしているのが現状(←慢性的人手不足)なので、この機会にと、注文は入っていないけれど、店舗に並べたいものをいくつか製作しました。

まずは一品ぐいのみ。取引先に出荷する品物の画像をTwitterにupしたところ、なかなか反響がよく、陶工ががぜんやる気を出しました。陶工いわく「注文品として出荷しているものより攻めた形にしてみたい」とのこと。

一品ぐい呑みはその名の通り、一つずつ形を変えてあり、自分の手にしっくりくる1個の選択を楽しめることが特長になります。感覚は人それぞれなれど、最終的に人の手に収まるものなので、通常品はコロンとした雰囲気の、手に合う要素多めの形になっているのですが、今回その要素を少し削ってみた次第。

結果、なんだか不思議な形が多めになりました。手にしっくりくるかに加えて、どこから飲むかにも選択肢の幅が!!
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個人的には、この河童の足跡みたいな形のが気になります。
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「攻めた一品ぐい呑み」は、窯元限定商品として、通常型に取り交ぜて店頭に並べております。ご来店された折には、どうぞ色々選んでみて下さいね。

さらに、ものすごく久しぶりになりますが、線彫ぐい呑みも作陶しました。普段だと、陶工が高台を削り出すのに合わせて、私が線を彫り入れるのですが、今回は店舗&事務作業が忙しくて手が空かず、線彫りも陶工が行いました。

陶工が線彫りすると、線が太目で線の間も少し空き気味のおおらかな雰囲気になります。私が彫ると細い線でこれでもかと言わんばかりのみっちりさに。同じ道具を使っていますが、それぞれの好みがダイレクトに反映されますね…。
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ちなみに、この線彫りがよい滑り止めになって、酔いが回っても落っことしたりしにくいですよ、というのが宣伝文句です。

これらに続いて、馬上盃も久しぶりに店舗にならべたいねという話をしていたのですが、5月の後半から、もう夏を見据えた注文がちらほら入り始めました。注文品が優先となりますので、馬上盃の作陶は少し先になりそうです。

現在は、夏のイベントや父の日に向けた品物を作陶中ですが、一日一日と日を追うごとにスケジュールがタイトになり、陶工に焦りが見え始めました。必要な物を必要数、とりあえず形にしておかないとね。注文によっては、すでに来月の窯でと、ご了承いただいたものもあり。もうじき素焼き作業に移行します。有限の窯面積に関しては、素焼きが終わってから、〆切や注文日と相談しながら取捨選択になるかと。追っかけですぐ二回目の窯を焼成することになるかと思いますが、その数日の完成のズレが大事になったりするので、計画は慎重に。でも、父の日はギリッギリになりそうだなあ…。

頑張ります。
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2020年11月30日

原料採取に行ってきました 

11月某日、あめ釉の原料が春までもたないから雪が降る前に、と原料採取に行ってきました。知り合いの農家さんに軽トラックを借りて、つるはしやら袋やらを積み込んで、いざ、出発!!

数年ぶりなので、確かこの辺と小道に車を乗り入れたら、途中で「関係者以外立入禁止」の立て札があり、目的地までたどり着けませんでした。毎年、定期的に行くわけではないので、こんなこともある。ほかにも道路ができてアスファルトで覆われてしまっていたとか、不法投棄と間違えられたとか、全国的に土の採取が年々難しくなってきているようです。

目的地での採取こそできませんでしたが、その近辺で何とか原料を採取してきました。つるはしを振り上げて掘り起こして、肥料袋に詰めて運んで積み込んでのくりかえしで手のひらにマメができました。これは地味に痛い。
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採取してきた土は水分を含んでいるので、しばらく天日干し、のつもりが天気が安定しないので室内干しになりました。枯れ葉が混じっていたりすると見つけ次第取り除きます。混じったままだと釉薬になってから発酵したり、酸っぱい臭気を放ったりして施釉作業が辛くなるので。
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もう少ししたら砕いて調合してテストピースを焼いてみます。同じ原料だからと言って、同じ調合、同じ焼成塩梅で同じように発色しないのが、天然原料のみ、の難しいところであり、面白いところ。とは言っても、なかなか安定しなかったり、全然別の発色しかしなかったりしても困るのですが。

どうか新しい原料分の釉薬にうまく切り替えられますように。

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2020年08月17日

8月も後半に

おはようございます。梅雨明けしないまま、お盆を迎え、8月も後半に入った本日は明け方から、ざあーっと音を立てて雨が降り始め、出勤時にはすでに農業用水がなみなみとした水位になっていました。玉川はまだそんなに水量が増えた感じでありませんでしたが、雄物川は濁流で水位も上昇しているようです。何事もありませんように。

会社到着時は滝の様な雨で、朝から濡れるのかとげんなりしていましたが、現在はだいぶ小降りになってきました。
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西の方の危険な暑さに対して、こちらは健康を害する高湿度。外湿が高くて体調も崩れやすいこの頃ですが、それ以上にカビ!先日、定期健診で行った病院でも、カビとカビの胞子に注意を促されました。食べ物にカビが生えるのも危険ですが、カビの胞子を吸いこんで呼吸系のトラブルが増えているそうです。

会社内でも、びっくりするような場所にカビが発生していて、見つけ次第、消毒、除去作業に追われています。バケツ持ちあげたら底の形に床にカビとか、段ボール箱よけたら箱と壁にカビとか、普段使っていない北側の部屋の床がふわふわとか。作陶に使う板も粘土がついているとカビが出やすいので、せっせと洗って干して除菌して、枚数が多いのでなかなかな作業量になっています。

窯場も台車を窯に引き入れるためのレールが結露してびしょびしょに。いったいどれだけの水分が空気中に含まれているんでしょうね。連日、様子を見に行って、レールが錆びたら困るなと思っていたのですが、昨日、素焼き作業で窯に火が入ったら、あっというまに結露はなくなりました。まあ、冷めたら、また出て来るとは思いますが、とりあえず一度乾いたので良しとします。

本日引っ張り出した素焼きの窯。品物の乾燥を待ちながら、別の品物を作っていたのですが、さっぱり乾かないので、いつのまにかえらい量になっていました。この窯一回分では入りきらず、おっかけでもう一回素焼きします。
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上から見ると、なにやら古墳か何かの発掘現場のようです。
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まだ素手では触れない熱さなので、みがき作業は10時半頃からを予定しています。並行して施釉作業も行います。冷め待ちしながら作業の手順をあれこれ考え中。陶芸体験作品からにしようか徳利の内塗りからか、オーダーマグカップからか、今回は手間のかかる品物が多いので、手をつける順番に悩みます。(注:陶芸体験作品は一個ずつ形も大きさも違うので、どう施釉するか商品の施釉より考える時間がかかります)。

結露は消えましたが、窯の熱で窯場が暑いので熱中症も気をつけねば。あれこれ気をつけねばいけないことが多い今年の夏。コロナはもちろんですが、暑さとカビとカビの胞子と高湿度にもお気をつけ下さいね。

こちらは、先日行ったお墓参りの時の風景。いつもだと真っ正面に奥羽山脈が、ばーんと見えるのですが、今年は霞がかかっていて見えないことが多いです。「山も夏休み中?」などと気を紛らわせていますが、すっきりと晴れの日があるといいな。KIMG0652.JPG
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2020年07月29日

雨後

強くなったり弱くなったりしながら降り続いた雨がようやく上がりました。浸水被害あった方々へ、お見舞い申し上げます。今後、しばらくは土砂災害に気をつけましょうね。通勤途中にいつも道路まで水がしみ出して来ている山際ゾーンがあるので、その場所を通る時は、雨のたびにどきどきしています。

楢岡陶苑も窯周辺で床下浸水があった模様です。
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窯の中、レールがまだ濡れている…。しばらく本焼きをする予定がないので、扉を開けはなって風通し良くしておくことになりました。本焼きが始まる段階になっても、まだ水分が抜け切れていない場合は巨大扇風機等で対処することに。窯の中が湿っていると、温度が上がって行く過程で水蒸気が発生し、水蒸気が多すぎると焼いてる品物が柚子肌になりやすいんだそうです。乾くといいなあ。

ロクロ場は雨の前から、もうずっとじめじめです。品物を作ってもさっぱり乾燥が進まず、作業が滞ってばかり。

面取り途中のカフェオレボウルです。高台を削り出す1歩前の段階。巣籠り状態がかわいいです。
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削り出し作業が終わってすっきりしました。これから4日経ちましたが全然乾燥が進んでいません。ほとんど同じ色のまま。
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早く梅雨が明けるといいですね。外湿も高くて体調にも影響が出る時期です。お気を付け下さい。


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2020年07月20日

久しぶりに窯出し

おはようございます。

朝いちで窯から台車を引っ張り出しました。まだ上の方は熱々です。

今日は終日、窯出し磨きの日。私は検品と包装の日になります。

長らくスペースを確保できずにいた傘立てがやっと焼成されました。
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注文品のお皿が多いので、棚板の感覚が狭くなりました。遠目から見た高層マンションを彷彿とさせます。
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2019年09月26日

窯出し 窯出し 霜柱的大皿

寒暖の差が激しいここ数日です。

本日は窯出し日。工房内はひんやりとしていましたが、窯だけはほっかほか。窯内温度160度まで冷めたので、窯の扉を全開にすると、ぱきぴきと貫入の入る音が響きます。
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このまま、もう少し冷ましてから、そろりそろりと台車を引っ張ってみる。
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台車と焼き上がった品物から熱の波が部屋中に押し寄せます。台車近くにいると汗ばむほど。

ちゃんと青く発色したのでまずはひと安心です。
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おお、寸止め!
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釉薬をたっぷりかけると流れ過ぎて棚板にくっついてしまうし、薄くかけると青く発色しないので加減が難しいところです。

注文品の大皿は、目立つ所に鉄粉の発色なく、降り物もなく、大きなヘタリもなく焼き上がりました。が、貫入の入る音が、ばぎっ!べぎっ!!とえげつないのが気にかかります。大物なので音が大きいのもあるんですが…。数日、様子を見て、深すぎる貫入がなければ注文主に完成連絡です。作りなおしになりませんように。
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ベースの釉薬の濃さで少し遊んでみた結果、面白い色合いになりました。縁の周りぐるっと霜柱的な。
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このまま、もう少し冷まして午後になったら小物の窯出しが始まります。今回の窯は4割くらい陶芸体験作品になります。子供会等々、小さめの作品が多いので仕訳がっちりがんばらないと。製品は底のヤスリかけと検品が終わり次第、店頭に並びます。



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2018年11月14日

進めない

乾かな〜い、乾かな〜い。
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入らな〜い、入らな〜い。
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2018年09月20日

ぐいぐい窯づめ

はっいる〜のか?でっきる〜のか?はてさてふむ〜ん♪と歌いたくなった昨日の窯づめ。ぐい呑み一個だけ入らなかった…。土曜日には焼き上がって検品、包装もして納品済みのはず。いつも以上の突貫です。
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2018年09月16日

素焼き&内塗り

超タイトな注文が入ったので、大急ぎで制作を進めている先週からの本日です。

素焼きの窯づめは今日が本番でしたが、一回の窯では入りきらない量なもので、昨日、急遽0.1立米の窯、通称「小さい窯」で先発素焼き隊が焼成されました。

内塗り作業のため、過程がひとつ多い花瓶が窯に入ったと聞いていたので、さっそく朝、見に行ってみたらば、ホカホカの状態でどっさり積まれておりました。おお〜う!!(他に牛乳瓶型とだるま型の徳利もでてきました)。
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なんというか、気持ち悪い?
こう、フジツボ的な…。

残りの素焼き品の窯づめが終わってからは、二時間弱黙々黙々内塗り作業をしました。以前は感覚が分からなくて、よく流し込んだ釉薬を溢れさせていましたが、このところ内側の個体差に騙されない限りは、そういうことはめっきり減りました。少しは進歩しているようです。

明日は磨き、磨き、磨き作業で一日終わりそうです。下手したらあさっても。今日の窯づめのハンパない入れ子状態から思うに、そんな予感がします。

余談ですが「素焼きの窯」と言われると「西瓜の皮」と聞こえます。なぜだ?と言われますが、そう聞こえるんですよ…。


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2018年08月25日

よう作った…

昨夜から午前中にかけて、峻烈な通り雨の波状攻撃に襲われた大仙市、午後になって曇りではありますが雨は遠のいた様子の今晩は花火競技大会です。楢岡陶苑は、あちこち交通規制や渋滞の恐れがあるので本日は午後3時にて閉店です。

午前中は先日窯から出した品物の検品と仕訳で大わらわでした。

ちょーっと作りすぎたのでは?という予感の施釉作業。
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予感が本当になる窯づめ。まさかの14段!びっちりずっしり。
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ボリュームがありすぎなので、ちゃんと窯にはまるか見守っていました。もちろん腰に手を当てて。
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アーチ部分もぎりぎりでした。
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入れられるだけ必要なだけ詰め込みましたが、次の窯に見送り品も出てしまいました。

大部分は注文品として行き先が決まっている物ですが、少しでも店頭に並べられるよう検品頑張ります。
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2018年07月08日

もくもく

点火後の窯から水蒸気がもくもく噴き出して窯場に雲がかかりました。
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出所は施釉した釉薬の中の水分。ま、急いだからね、この湿気だからね、仕方ないね。
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素焼きの磨き→施釉→窯づめ

今月〆切の品物の素焼きの窯が開きました。
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引っ張り出してみると、どーん!!
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記念品用の湯呑メインの窯になります。二段目の鉄カゴ1つに湯呑100個、入れ子でぐい呑みや小皿などが同居しています。

本焼きの窯を出して、ヤスリかけ&検品をすると、その後の包装にかけられる時間があまりないという現実に立ち向かうため、磨き作業が迅速かつ黙々と作業が進められました。

しかし!!ある。要員数に対してとても量がある。入れ子になっている分、あまり進捗を感じられない錯覚に陥ります。そして素焼きの磨き作業は同じ品物ばかりだと、体の同じところに力がかかったり摺れたりするのでガタがくるのが早くなります。今回は右人差し指の第二関節と第三関節の間が湯呑の縁にすれてうろこ状になりました。すれと水に強いテープがあればいいなあ。

それでも磨きは3日で終わらせて、今度は施釉作業を黙々黙々。

湯呑が、なんかこう終わりのない行進をしているようです。
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湯呑以外の品物は控えめ。
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この品物群は今さっき本焼きの窯に詰め終わって火が入れられました。水曜日からいよいよ包装の嵐が吹き荒れます。現在のところ、200個程包装しましたが品物がなくなったので一時休止です。本当は毎日何個ずつと数を決めてコンスタントに進めるのが希望なのですが、そこはロクロ場の制作部と折り合いがつけられないところ。しかたないので、がーっと行きます。

ちゃんと完走できますように。


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2018年06月14日

梅雨寒

昨日からぐっと気温が下がって寒さに見舞われている楢岡陶苑です。最高気温は17℃の予報でしたが、帰宅時は13℃、寒い!一抹の悔しさを覚えながらも衣替えしてしまったばかりの機能性下着や厚手のシャツを引っ張りだしてきました。水も冷たい…。

天気も雨が降って止んでを小刻みに繰り返していたのですが、その降り方と雰囲気ときたら梅雨というより秋の長雨にそっくりでした。うっかり「これからひと雨ごとに寒くなるのう」と言ってしまいそう。

ここでは、いつも画像の山の向こうから雨がやって来ます。奥の山が白く霞んでいるのは雨、目視できる雨の塊です。今この時点では私がいる会社の前は降っていませんが、この白い霞が流れるように近づいてきて飲み込まれると雨になります。
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作業は焼成が終わって冷まし中。窯の中は350℃まで冷めました。このまま一晩おいて明日の朝から窯出し作業が始まります。この空き時間を使って、品物が出てきたあとの包装用具の準備をば。包装紙をカットしたり、化粧箱にシールを張ったり、栞を折ったり、熨斗の印刷をしたり。近々の包装予定が1000個越えなのでなかなかの量です。包装作業が滞らないよう、ちまちまとでも準備を進めておかないと(注:一気に進めると軽作業過ぎて気が滅入ります)。

この辺は次の窯詰め待ちの品物。〆切の近い注文品が多いので、窯出しが終わったら即、次の窯づめ作業に移ります。
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さて、ここで一夜明けまして、窯出し開始。
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期日的に一発勝負的な焼成になった品物もありましたが、ちゃんと発色して釉薬の垂れすぎ等もなく無事に焼き上がりました。は〜、よかった、ひと安心。
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さあ、いよいよ一人包装祭り開始だ!!終わりは8月半ば頃を予定。それまで包んで包んで包みまくります。いざ!



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2018年05月21日

天日干し

雨の音は雑草の伸びる音であるかのように、緑の眩しい季節になりました。
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先月の、この淡々とした色彩はどこへやら。
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さて、先週末の大雨では、避難勧告が出たり、雄物川が一部氾濫したりした地域もありましたが、幸いにも楢岡陶苑の被害は窯場に少し水が入ったのと、雨が上ってからの井戸水の濁りだけに止まりました。避難を余儀なくされた方、田畑等被害を受けられた方々に、お見舞い申し上げます。

さて、雨が上ると急に5月らしい爽やかな天気になりました。雨の間中、成形した品物の乾燥が全く進まなくて、仕上げ作業が予定より2日〜3日ほどずれ込んでしまったここ数日です。今日はあまりに乾かない物がたまったので、今年初の天日干しの決行へ。
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最初は風の力を借りてと陰干ししていたのですが、思いのほかはかどらないので日光の力も借りようとほんとの天日干しに。薄茶色い色の物が、まだ乾燥が進んでいない品物です。ちなみに引っくり返したり、順番待ちの品と場所替えしたりと面倒を見ていると、私がどんどん日に焼けていきます。
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時間の問題だとは思いますが、今年はまだ土蜂が姿を見せていないので安心して外に出せます。ちなみに、先日お皿を作ろうと道具を取りに行った時のこと。
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板と輪っかを重ねたこれらをまとめて持ち上げたら、左中指に何やらやわらかくてシルキーな感触が…。ああ、これは…、と思ったら三角形のでっかい蛾が板の裏に張り付いていました。今年のザ・ファースト・コンタクト。

窓の外にはでっかいアオダイショウの姿も見かけて、すぐさまあちこちの侵入経路に木酢をまきました。突然のお出ましがないか、びくつきながら扉をあけるくせが抜けないまま冬が過ぎ、また今年も始まってしまいました。あまり入ってこないで欲しいなあ。

なんだか途中で話がずれました。そんな日もあり。

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2018年05月17日

長皿考

長皿の作りに入りました。

板状にカットした粘土の四辺を持ちあげて作成するのですが、ただそれだけのことなのに、全然思い通りに事が運ばず苦手な品物のひとつです。途中廃棄が多くて、かかった時間と労力の割には完品の数の少ないこと。

この段階では乾燥管理に応えて、まだお利口なのですが
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乾燥が進むにつれ、どれだけ気にかけようと、どんなにまっすぐに成形しようとゆがみが出たり、そして反ったりするものが出てきます…。

これだけ反ると、もうだめですね。
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今回はまだ発生していませんが、持ち上げた角の部分の圧力のかかり方によっては、この部分にぱっくりヒビが入ります。ヒビが出たら、その時点で廃棄です。
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前任者までは、完品が注文数に達するまで、とにかく作って作って作るというやり方だったのですが、私は店舗での仕事やデスクワークもありますので、そんなに時間をかけるわけにもいかず、そして労力や時間や材料の無駄は可能な限り省きたいので、原因をとまでは言いませんが、せめて完成率の高い作り方を模索して行きたいと思っています。

道具を変えてみるとか、乾燥進行時間を変えてみるとか、粘土のまとめ方を変えてみるとか、スライスした粘土の上下数枚は使わないでみるとか。結局、観察と試してみる時間はかかりますが、いい方法が見つかれば効率は上がるはず。

あれやこれやと観察と実験の予定を立てながら、おそらく、これだけあれば今回の注文数が取れるだろうという数を成形し終わった日の夕方、再び注文が入って必要数が倍になりました。ふおおおお〜。増産決定。

ぞ〜うさん、ぞ〜うさん♪
増〜量しなくちゃね♪

観察と実験の機会も増えたということで…。早く成功率の上る方法を確立したいものです。
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2018年03月29日

男鹿まで土掘り遠征

3月24日土曜日、満を持して男鹿まで土掘り遠征に赴きました。

前回は人とトラックだけの小規模作業だったのですが、今回はまとまった量が必要と言うことで会社のバックホ―を現地まで運んで行くことになりました。そのため重機を積むセルフローダーの手配、掘った土を運ぶトラックの手配、電気ハンマードリルと発電機の手配で前日までどったばったの大わらわ。その一方で、春行楽用の窯焼成も3基同時進行で進めていたので、もう3月の日々の推移は、まるでかすみが流れて行くような感覚でした。いつ何をしていたのかさっぱり覚えていません。

年度末で工事関係も大忙し、引っ越しもシーズンなので大忙しとセルフローダー他トラックも各工具もなかなか希望通りに手配が進まず、大丈夫か?という空気も一時漂いましたが、なんとか周りの皆さまの協力もあって遠征は実現しました。

土掘りで何をするかと言うと、まず必要な地層を掘り崩し(前回は人力だったのでツルハシ&スコップでした)、
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電気ハンマードリルで掘りだした地層の余計な部分を削り落し、そして袋詰めしやすいように大まかにくだきます。それを片っ端から持っていった肥料袋に詰め込んでトラックに積むという作業の繰り返しになります。実際掘っている場所まで車は入れないので、土を詰めた肥料袋は300メートル程度人力で運ぶことになります。最初はいいんですけどね。だんだんどんどんきつくなる、それが力仕事のセオリーです。今回は地主さんも手伝いに出てくれました。ありがたい〜。

掘って砕いて詰めて運んで積んでを繰り返して、今回はだいたい1.2トンほど採取してきました。
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袋の中はこんなです。
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会社に帰りついたら積んだものを下ろさねばなりません。いい天気だったもので周辺のゴミ焼きと野焼きの煙が充満している中での作業になりました。借りたものを返しに行く時間がせまっているので頑張らねば…。

とりあえず数年はまかなえそうです。
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次の日は全員疲労&筋肉痛になったので、これまで様々な手配であとあとになっていた軽作業に従事しました。新しい原料も補充できたので頑張らねばなりませんね。いい原料になるといいなあ。よく工房見学に来られた方に「昔ながらの製法で」と説明をしますが、今回もまさしく「昔ながら」の割合が多い作業でした。さすがにマシンの力は借りましたけどね。

あれこれと力を貸して下さった皆様、本当にありがとうございました。


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2018年03月26日

花紋湯ざまし作成中

春の行楽用注文と移動シーズンの贈り物制作で青色吐息の楢岡陶苑です。怒涛の勢いで作って焼いて検品降り分け、合間に包装に精を出しています。

先日は「花紋湯ざまし」の花紋付け作業をしました。花紋がかわいらしいとか、持った時に指の当て場所になるとか、滑り止めになるとか理由様々で、うちの湯ざまし族の中では常に一番人気の湯ざましです。

しかーし、人気が高い商品と言うのは、どこかひと手間加わった物が多く、コレはこの花紋がそのひと手間にあたるのですが、実に作り手泣かせのデザインです。

まず、基本の湯冷まし本体です。
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この本体に付ける花紋の玉を丸めながらの作業になります。玉は大体コショウの粒程度の大きさで、玉4つを合わせてひとつの花紋に。コレが両面に必要なので、単純に本体一個に付き、玉8個。大きさがそろわなかったり、大きさや形を調整しているうちに指先の熱で玉が乾燥してきて使えなくなったりということもあるので、実際はもう少し必要になります。
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今回は本体が37個あったので37×8、確実に必要な分だけで296個の玉が必要…。以前、本体100個ということもあったので、それに比べればかわいい数ですが、それでも玉の数多いなあ。

そして一番難しいのが、左右同じ場所に家紋をくっつける作業。この「同じ場所に」と言うのがくせものです。上部から持ち上げる動作のままに、付ける位置が決められればいいのですが、焼く前のサイズでは、悲しいかな、私の手の大きさが足りません。前方から見ても、本体の形も全部微妙に違えば花紋の大きさや形もこれまた微妙に違うので、A面B面の上下左右からの長さを測って付けてみても同じ位置にはなることはなく。

これは右側が少し下がってますね。やりなおし。
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ああしてもずれる、こうしてもずれる、あれこれすると時間がかかり過ぎると、色々試した中から編み出したのは、とりあえずそこに物があることは一旦忘れて、左右から両手の指先をくっつける動作を心がけること。この方法だと意外とずれずに位置が決められます。

頭の中のイメージではこんな感じ。中指部分がポイントです。
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結局、今回の花紋つけはみっちり4時間かかりました。午後中ひたすら玉を丸めては接着。飽きる人には多分かなり飽きる作業のはず。同じ単純作業を飽きずに続けられるのも、もしかしたら一種のヘンな人かもしれないと思えた作業時間でした。もはや簡単すぎて拷問と言われるひたすら中華まんに焼き印を押す作業や、洋食屋でレタスをむしり続ける作業も苦もなくできそうな気さえしてきます。

完成形。
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この後、スポンジ仕上げ、素焼き、磨き、施釉、本焼きと過程は進んでいきます。うまくくっついていないと各作業中にぽろぽろと玉が取れて、その時点で使いものにならなくなります。これまでのところ、私の付けた花紋は100パーセント最後まで落ちずに焼き上がってきます。やるじゃん、私!と自画自賛したいところですが、そのため、玉付け作業はもれなく私に回されてくるようになりました。担当にしていただかなくて結構なんですのよ。地味に頑張るといつかは終わる、それが単純くりかえし作業…。
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2017年12月25日

大甕佳境

年末恒例の大甕作成が大詰めに入りました。

素焼き&施釉の様子も写真どりしたかったのですが、足の踏み場もないくらいのてんやわんやぶりで入室できませんでした。ので、過程をワープして本焼きです。だいぶアクロバティックな詰め方になりましたがキレイに焼けました。
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こちらは、本日窯づめして焼成をはじめたもの。数が多いので、どう詰めるか悩ましいところ。ヒビなど入らずにキレイに焼き上がって欲しいところですが、折しも外は悪天候。強風が吹いていて煙突から空気が逆流し、窯の中のガスと空気の量のバランスが計りにくいそうです。さあ、どうなることでしょう。
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今日は朝方から荒れ模様で、防風警報が出されていたものが、お昼には防風雪警報に変わり、不要不急の外出は控え、停電に備えて食糧、灯り、暖房の用意をしておくようにとの防災メールも入ってきました。どれだけ荒れるの?

先週、金曜日は珍しくこんなに晴れていたというのに。
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まあ、晴れた分だけマイナス二桁まで冷え込んで車ががっちり凍りついてしまい、乗りこんで出発するまで20分もかかってしまいました。ドアが開かなくて、中に入れず外に出られずの状態で大奮闘、朝から試練が大きすぎます。

冷え込んだ証拠に、こちらは犬の足跡が凍ってとけたもの。化石もこんな風に残るのかもしれませんね。
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防風雪は27日までとのこと。皆さま、お気をつけてお過ごしください。









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2017年11月29日

本日の作業 甕その他

大甕の乾燥がうまく進んだようで、次の過程に進む社長。本来、着手予定だった陶工負傷のため今回は代打の甕作成です。
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ストーブOKになったので、傍らの作業台で、私は昨日するはずだった小皿の仕上げと別種の小皿の作りをしました。仕上げをした小皿については、今回、初めて作る形のものであることもありますが、一枚手に取るたびに「うーむ、下手」ということばかり頭をぐるぐる回りました。一応、陶工からOKは出てはいるのですが…。今回、3回に分けて30枚程度作ったのですが、それっぽっちではまだ感覚は十分につかめません。
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午後からは素焼きの窯づめを行いました。窯場、寒っ!!!

部屋に火の気無し、暖房設備なしの廊下から詰める品物を運んでくるため扉開けっぱなし、袖がひっかかって作業に支障がでるのが嫌なのでひじから下、腕まくり。二時間半の作業でしたが上半身冷えっ冷え。腕と顔から冷えた〜。

ロクロ場に戻ってきたら、甕が甕らしくなって数が増えていました。
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甕の前に段ボールが立ててあるのは、ストーブからの熱が直接当たって、一部だけ乾燥が進むのを避けるためのもの。数日前に社長が工夫したのですが、そのひらめきが社長的には名案だったようで、「いいこと考えついた、やったなあ、やったなあ」と幾度も自慢されました(笑)。これから先、段ボール遮熱壁は受け継がれていくことでしょう。継承の発端を目撃しました。
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2017年08月10日

現世帰還

年間で一番個数の多い注文がやっと完了しました!!その数、千個越え包装付き。社員総出、つまり2名で黙々と作りあげました。そのため、ここ2カ月ほど仕事もプライベートも、この注文中心に回っていたので、終わったら、現世に帰って来たような、もしくは長期合宿が終わったような(笑)。

6月の内は、まだ他の注文と織り交ぜながらの作業でしたが、7月に入ってから相次ぐスタッフ&陶工の体調不良に、水害による臨時休業と後片付け…。納品一週間前にして500個以上未完成という窮地に陥りました。

なので余裕だったはずの作業もハードな一気進行に一転。

施釉も残り500個ちょっとを1日で爆進。私がアメ釉かけたら陶工が海鼠釉を施釉していくという流れです。
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この状態で施釉完成。
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しかし数が数なのでやってもやっても終わらない。同じ品物なので形状も変わらない。だんだん飽きてくるのが人というもの。ため息つきたくなってきたころに、ふと目線を上げれば目の前には、いただきもののカレンダーが。
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拡大してみましょう。
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なぜ、どうして、こんなナイスな一言が7月のこの部屋に巡り合わせられているのか。おそらくコレはもう、頑張ってやれ、とどこかで先に定まったことなのでしょう。

ならば。
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頑張るのだ。まだまだあるけれど。
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終日、立ちっぱなしだったので作業が終わる頃には膝ががくがくしてました。以前は毎日一日立ちっぱなしの仕事してたのになあ。年でしょうか。

施釉が終わって窯づめもして、焼成が始まったら前回の窯から出ていた物の残り包装スタート。検品しながら内装して外装してのし紙貼って。リピート、リピート、リピート…。全部包み終わる前に今焼いてる続きが窯から出てくるよ〜。
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なんというギリギリランナー。無事完走できてよかった〜。来年はもっと余裕があるといいのですが…。

終わった…という燃え尽き感からか、まだ心身ぼ〜っとした感じがありますが、現実は、この注文に集中していた間、手をつけられずにいた、もしくは時間ができたら片付けねばとためていた作業が雪崩んばかり。通常営業に戻ったと言えるかどうかアヤシイ本日ですが、少しずつ通常営業に戻していきます。

店内がものすごーく品薄状態なので、まずは制作と掃除から〜。

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